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【DeepLを使った英文翻訳】英語論文を簡単に読む方法を画像付きで分かりやすく解説します!!

解決したい悩み

  • 英語論文をスムーズに読みたい
  • 無料で質の高い翻訳を行いたい
  • DeepLの使い方を知りたい
この記事では英語論文をスムーズに読みたい、無料で質の高い翻訳をしたいという人に向けて無料の翻訳サイト「deepL」の特徴と使い方を解説します。
 
この記事を読むことでdeepLを使って英語論文を書いたり読んだりすることができるようになり、研究をぐっとスムーズに遂行していくことができます。
 
より質の高い翻訳を求める人のために、後半では翻訳代行サービスの紹介もしていますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
 
それでは解説していきます。
 

DeepLとは

DeepLとはドイツで言語向けディープラーニングシステム開発を手掛けるDeepL社が提供している機械翻訳サービスです。
 
2017年に機械翻訳システムをインターネット上に無料で公開して以来、全世界で10億人以上が利用しています。
 
2020年に日本語に対応し、現在は25言語への翻訳が可能となっています。
 
DeepLの特徴は何と言っても独自のAI技術による精度の高い翻訳アルゴリズムだと思います。
 
僕自身、英語論文を書いたり読んだりする際にはDeepLを主に利用していますが、かなり自然な文章で翻訳してくれます。
 
特に英語論文を日本語に翻訳するときには、読みにくさがほとんどないと言っても過言ではないと思います。
 
細部のニュアンスまで正確に翻訳してくれるので、筆者の意図を適切に読み取ることができると感じています。

DeepLの特徴

DeepLの特徴やメリットは以下の4点です。
 
  • 質の高い自然な翻訳
  • 文書ファイルをそのままアップロード可能
  • 充実した無料プラン
  • 様々な利用方法

質の高い自然な翻訳

DeepLでは高いAI技術によりこれまでにないほど自然な翻訳が可能となっています。
 
その中でも特に他の翻訳サービスと違うところは前後の文章との因果関係の捉え方です。
 
他の翻訳サービスは基本的に前後の文脈に関係なく、1文をそのまま翻訳します。
 
そのため、主語と述語の関係が違っていたり、主語のない文章になって読みにくかったりします。
 
DeepLは前後の文脈まで判断して、主語と述語の関係性を正確に捉えてくれるという特徴があります。
 
日本語では前後の文で主語が同じ場合は、後半の文では主語を省略する場合があります。
 
こんな場合でもDeepLでは主語と述語を丁寧に翻訳してくれるため、外国語⇒日本語、日本語⇒外国語のどちらの場合でもかなり自然な文章に仕上がります。

文書ファイルをそのままアップロード可能

DeepLのサービスに「文書のまるごと翻訳」というものがあります。
 
このサービスではwordファイル、Power pointファイル、textファイルをそのままDeepLにアップロードして翻訳することができます。
 
この機能自体は他の翻訳サービスにもありますが、DeepLの特徴として図や表、画像をそのまま翻訳語のファイルに残すことが可能です。
 
また、文書ファイルの体裁もほとんど崩すことが無いので、翻訳してそのまま提出ということが可能です。
 
ただし、翻訳した文書ファイルをさらに修正したいといった場合には、有料プランに加入する必要がありますので、ご注意ください。

充実した無料プラン

DeepLのプラン一覧DeepLには無料プランを含めて4つの料金プランがあります。
 
DeepLでは無料プランも充実しており、シンプルに論文を書く、読むといっただけであれば無料プランで全く問題がありません。
 
僕自身も無料プランを利用していますが、困ったことはないですし、これからも有料プランに切り替える予定はありません。
 
無料プランでは1回の翻訳文字数の上限が5000文字ですが、5000文字はものすごい文量ですし、単元ごとに区切って翻訳していけば、5000文字の制限に困ることはありません。
 
そのほかにも、有料プランにすれば文書丸ごと翻訳の回数が増えたりもしますが、現状、必ず必要とは言えないと思っています。

様々な利用方法

DeepLはブラウザ上で利用するだけでなく、Google Chromeの拡張機能として利用したり、デスクトップアプリとして利用したりすることもできます。
 
Google Chromeの拡張機能として使えばネット上の文章をより正確に翻訳できますし、デスクトップアプリとして利用すればDeepLを立ち上げるまでの手間も削減できます。
 
自分に合った利用方法を選択してください。
 
ちなみに僕は、DeepLの翻訳サイトをお気に入りに登録して、ブラウザ上で利用しています。
 
そこまで頻回に利用するわけではないですし、この後紹介する「Shaper」というサイトと併用する場合はブラウザ上の方が何かと便利だからです。

DeepLのデメリット

DeepLにも以下のようにいくつかのデメリットがあります。
 
  • 翻訳可能言語が少ない
  • PDFファイルが翻訳できない

翻訳可能言語が少ない

2021年現在で翻訳可能言語は25言語とGoogle翻訳などの他の翻訳サービスと比べると対応している言語は少ないです。
 
ただし、2020年と比べると1年で対応言語はかなり増えており、今後も拡大が期待できます。
 
正直、英語以外に翻訳する機会も少ないので、僕自身は日本語と英語があれば特に困っていませんが、対応にない言語への翻訳を行う際には、他の翻訳サービスを利用する必要があります。

PDFファイルが翻訳できない

DeepLはPDFファイルに対応していません。
 
インターネット上で論文などを読む場合には、PDFファイルで保存していることが多いと思うので、そのままでは翻訳することができません。
 
そのためPDFファイルから必要箇所をコピペしてDeepLで翻訳する必要がありますし、もしPDFファイルがコピペに対応していない場合は、翻訳することはできません。
 
また、PDFファイルからコピペした場合は、変な箇所で改行が入ってしまい、翻訳が上手くいかない場合もあります。
 
そのような場合には「Shaper」というサイトを使ってみることをおススメします。
「Shaper」は文章から余計な改行やスペースを除去してくれるサイトです。PDFでコピーした際の無駄な半角スペースや文章途中での改行を除去し、ワンクリックでDeepLで翻訳してくれます。
 

DeepLの使い方

DeepLの使い方はとても簡単で、翻訳した文章をコピペするだけです。
 
今回は使い方の説明に加えて、実際に翻訳するとどのようになるかをDeepLとGoogle翻訳で比べてみたいと思います。

DeepLの操作方法

実際にDeepLを用いた文書の翻訳を行ってみます。
 
Googleの検索窓にDeepLと入力し、一番上に出てきたDeepLのサイトをクリックしてください。
 
Googleで「DeepL」と検索した場合の検索結果
次にトップページの左側のボックスに検索したい文章をコピペします。
 
コピペが終わると自動で右側のボックスに出力してくれます。
 
このとき、入力言語、出力言語とも対応言語の中から自由に選択しすることもできます。
 
DeepLトップページでの入力方法

DeepLとGoogle翻訳の違い

今回は、以下の論文のアブストラクトを日本語に翻訳してみます。DeepLでの翻訳とGoogle翻訳の両方で行ってみたいと思います。
 
This study examines the factorial structure of a new instrument to measure engagement, the hypothesized ‘opposite’ of burnout in a sample of university students (N = 314) and employees (N = 619). In addition, the factorial structure of the Maslach-Burnout Inventory-General Survey (MBI-GS) is assessed and the relationship between engagement and burnout is examined. Simultaneous confirmatory factor analyses in both samples confirmed the original three-factor structure of the MBI-GS (exhaustion, cynicism, and professional efficacy) as well as the hypothesized three-factor structure of engagement (vigor, dedication, and absorption). Contrary to expectations, a model with two higher-order factors – ‘burnout’ and ‘engagement’ – did not show a superior fit to the data. Instead, our analyses revealed an alternative model with two latent factors including: (1) exhaustion and cynicism (‘core of burnout’); (2) all three engagement scales plus efficacy. Both latent factors are negatively related and share between 22% and 38% of their variances in both samples. Despite the fact that slightly different versions of the MBI-GS and the engagement questionnaire had to be used in both samples the results were remarkably similar across samples, which illustrates the robustness of our findings.
 
出典:Wilmar B. Schaufeli et al: The Measurement of Engagement and Burnout: A Two Sample Confirmatory Factor Analytic Approach. Journal of Happiness Studies, 3, 71–92, 2002.
 
まずGoogle翻訳で日本語に翻訳してみた結果です。
 
この研究では、大学生 (N = 314) と従業員 (N = 619) のサンプルで、燃え尽き症候群の仮説の「反対」である、エンゲージメントを測定するための新しい手段の要因構造を調べます。さらに、マスラック・バーンアウトインベントリー一般調査 (MBI-GS) の要因構造が評価され、エンゲージメントとバーンアウトの関係が調べられます。両方のサンプルの同時確認因子分析により、MBI-GS の元の 3 要素構造 (疲労、皮肉、専門的な有効性) と、仮定された関与の 3 要素構造 (活力、献身、吸収) が確認されました。予想に反して、「バーンアウト」と「エンゲージメント」という 2 つの高次の要因を持つモデルは、データへの優れた適合性を示しませんでした。代わりに、私たちの分析は、次の 2 つの潜在的な要因を持つ代替モデルを明らかにしました。(1) 疲労と皮肉 (「燃え尽きのコア」)。 (2) 3 つのエンゲージメント スケールすべてと有効性。両方の潜在因子は負の相関関係にあり、両方のサンプルで分散の 22% から 38% を共有しています。わずかに異なるバージョンの MBI-GS とエンゲージメント アンケートを両方のサンプルで使用する必要があったにもかかわらず、結果はサンプル間で非常に類似していました。これは、調査結果の堅牢性を示しています。
 
読めなくはないですし、論文の目的や方法、意味の十分に伝わります。
 
でも、どこか日本語としては違和感を感じたり、前後のつながりが分かりにくかったりしますよね。
 
次にDeepLを使った翻訳結果を見てみましょう。
 
本研究では、大学生(N = 314)と従業員(N = 619)のサンプルを対象に、燃え尽き症候群の「反対」と仮定されているエンゲージメントを測定する新しい尺度の要因構造を検討した。さらに、Maslach-Burnout Inventory-General Survey(MBI-GS)の因子構造を評価し、エンゲージメントとバーンアウトの関係を検討した。両サンプルの同時確認的因子分析により、MBI-GSの当初の3因子構造(疲弊、皮肉、職業的効力)と、エンゲージメントの仮説的3因子構造(活力、献身、吸収)が確認された。予想に反して、「バーンアウト」と「エンゲージメント」という2つの高次因子を持つモデルは、データに対して優れた適合性を示さなかった。その代わりに、次のような2つの潜在的な因子を持つモデルがあることがわかった。その結果、次のような2つの潜在的要因を持つモデルが明らかになった。両潜在因子は負の関係にあり、両サンプルで分散の22%から38%を共有していた。両サンプルでMBI-GSとエンゲージメント質問票のバージョンを若干変えて使用したにもかかわらず、結果はサンプル間で非常によく似ており、我々の発見の頑健性を示している。
 
どうでしょうか。かなり読みやすく翻訳されているのではないでしょうか。
 
主語と述語の関係性が丁寧で、必要のないところでは主語が省略されていたりと、日本語らしい日本語として翻訳されていると思います。
 
この読みやすさがDeepLの一番の特徴だと思います。
 
ちなみに今回翻訳した文章の文字数は1294文字で、無料版でもこの約4倍の文字数が一度に翻訳できます。

Shaperを利用した翻訳方法

Shaper」は文章から余計な改行やスペースを除去してくれるサイトです。
 
PDFでコピーした際の無駄な半角スペースや文章途中での改行を除去し、ワンクリックでDeepLで翻訳してくれます。
 
上で実際に翻訳した文章もShaperを利用して、余計スペースや改行を修正しています。
 
まず、PDFファイルからコピーした文章をそのままペーストしてみます。
PDFファイルからそのままDeepLにコピーした場合の結果

ところどころで変に改行されていて翻訳結果も読みにくくなっています。
 
読みにくいだけならまだしも、改行は違う文章として認識されるため、間違った翻訳をされる場合もあります。
 
そこでこの改行を修正するために「Shaper」を使います。
 
サイトの上側のボックスにPDFファイルの文章をコピぺすると下側に修正された文章が出力されます。
 
DeepLで翻訳する場合は「DeepLで翻訳する」をいうボタンをクリックするだけで、自動的にdeepLで翻訳してくれます。
Shaperの使い方

翻訳代行サービス【AMEAO!】

ここまではDeepLでの翻訳方法について紹介をしてきました。
 
でも
 
  • 自分で翻訳するような時間はない
  • 正確な翻訳を業者に依頼したい
  • 英語以外の言語へのスムーズな翻訳を依頼したい
このような悩みを持っている人もいると思います。
 
ところが翻訳サービス業者はたくさんあって、どこが自分の目的に最適なのか分からないことも多いと思います。
 
そんな時は無料の【翻訳代行】見積もりサービスを利用をおススメします。
 
このサービスの利点は、なんと言ってもコンシェルジュが無料で翻訳サービスを比較、紹介してくれます。
 
はじめはHP上のチャット機能で依頼内容の概要を伝え、その後の数分のカウンセリングでおススメの業者を紹介してくれます。
 
複数社の見積もりを受け取ることができるので、「少しでも安く」や「質の高いサービスを」といった個人の希望に合致した業者を選ぶことができます。
 
EMEAO!では翻訳代行サービスだけでなく、データ入力代行やスキャニング代行の見積もりも行っているので、研究者の強い味方になります。
 
登録だけでもしておいて損はないかなと思います。
 
EMEAO!について詳しく知りたい人は以下の記事を参考にして下さい。
 

まとめ

  • DeepLは高いAI技術により自然な翻訳をしてくれる
  • 有料プランもあるが、無料プランでも十分に利用できる
  • PDFを翻訳する場合には「Shaper」も併せて利用する
  • 翻訳代行を利用することもおススメ
いかがだったでしょうか。今回はDeepLの使い方について解説を行いました。
 
日本人である僕たちにとって、英語論文は書くのも読むのも手間がかかるように思ってしまいますよね。
 
DeepLを賢く使って、論文執筆の手間を省きながら研究を行っていきましょう。
 
もちろん、自分で英語を読む力を養うのも忘れないようにしてください。
 
この記事が英語の翻訳で困っている人の手助けになればうれしく思います。
 
このブログでは、論文の書き方や探し方、研究に役立つ本やPCなども紹介しています。
 
ぜひそちらも併せて見てみてください。このブログの記事を一通り読むことで、研究者としての力を養うことができると思いますよ。
 

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