論文

【論文の読み方】論文の種類とその特徴を分かりやすく解説!!

どーもー!!ナツです!!
今日はどうしたのー?

論文を検索してるんだけど、原著?総説?
どれを読んだらいいのか分からーん!

研究者と論文には切っても切れない強い繋がりが存在します。

何種類もの学会に所属して新しい学術誌が来れば一通り目を通すし、ひとたび研究をするとなればそれこそ何十本もの論文を読み込んで研究を組み立てていきます。

初めて研究を行う人、卒業論文などで研究を行う人の中には、指導者からまずは論文を読んでくるように言われて困っている人もいるのではないでしょうか。

論文を探そうと思って検索サイトを開いても、「原著論文」や「会議録」などたくさんの種類が出てきてどの論文を読めばいいのか分からなかったり、読んだ論文を持っていっても「その論文は違う」などと再検索を指示されたり。

基本的に論文に引用されているものは「原著論文」です。

でも、検索サイトではでたくさんの論文がヒットしてどれが原著かなんて分かりませんよね。

この記事では、論文の種類が分からず、論文収集に困っている人に向けて、論文の種類とその特徴を解説していきます。

この記事を読んでもらえれば論文についての理解が深まり、よりスムーズに研究を進めることが出来ると思います。

それでは、解説していきます。

【論文の探し方】研究に必須な文献収集スキルを徹底伝授!! 研究では、論文を読むということは欠かせない作業です。   研究をするために、論文を書くために数十本、数百本もの論文を読まなけ...

論文の種類

論文にはいくつの種類があり、それぞれで特徴が異なります。また、論文自体の信頼度も違いますので、正しく理解するようにして下さい。
 
  • 原著論文(Original Article)
  • 総説(Review)
  • 症例報告(Case Report)
  • 短報(Short Communication)
  • 会議録(Proceeding)
  • 学位論文(thesis)
 
では、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

原著論文(Original Article)

原著論文とは主として学術誌や商業誌に掲載されるオリジナルな論文を指します。
 
オリジナルのため著者が自ら行った研究であり、研究の権利も著者にあります。
 
また、原著論文に掲載する際には主として2名以上の査読を受ける必要があります。
 
査読とは投稿された論文に対して、出版に値するかどうかを専門化が審査する過程のことで、何度も修正を指示される場合や、掲載を断られる場合もあります。
 
このような厳しい審査を受けて掲載となった論文が原著論文なので信頼性は十分に高いとされていますので、自らの研究に引用する論文は原著論文を第一優先に考えましょう。
 
医学中央雑誌やJ-STAGE、PubMedは原著論文のみで検索もできます。
 
原著論文は通常5ページ以上の長文であることが多く、表紙や本文上方に雑誌名や巻号、ページ数などがきちんと書かれていますので間違えないようにして下さいね。
 
ちなみに研究職の業績として重視されるのは原著論文の執筆数となっています。

総説(Review)

総説とは、特定の分野やテーマに関する研究を集めて、体系的にまとめたものです。
 
過去の先行研究を網羅して、著者がまとめたうえで論じていくものとなります。
 
多くの雑誌では総説においても査読が入るため、信頼性も高いものとなります。
 
また、特定の研究分野を網羅的にまとめているため、総説で引用されている論文を読み込むことでさらに知識が深まっていくことでしょう。
 
一方で、総説では著者自身がオリジナルで研究を行ったデータや結果はありません。総説で論じられることはあくまで過去の先行研究の内容であり、先行研究を総括して著者が論じているだけといった注意点があります。
 
「総説をrefarenceに掲載して引用したのは良いが、その内容は他の論文で論じられている内容だった」なんてことになるとそれは孫引きという反則行為になります。
 
総説を引用する際は注意してください。

症例報告(Case Report)

症例報告は1例~数例の治療経過や実践経過をまとめて、考察を加えたものになります。
 
通常は珍しい疾患や特にな経過をたどった症例などが報告されます。
 
症例報告についても学術誌で掲載されているものに関しては査読が入りますので、信頼性は担保されていると思います。医療分野で研究をしている人はもちろん、研究をしていない臨床家の人にも大変参考になる論文だと思います。
 
ただし、症例報告のエビデンスレベルとしては低いとされています。
 
これは症例数の少なさや特異な症例が多いために、広く一般化することが難しいことに起因しています。自身の研究や論文に症例報告を組み込む際にはこの点には注意してください。

短報(Short Communication)

短報はオリジナルな研究成果をより短くまとめたものです。
 
原著論文との大きな違いは文字数です。原著論文が20000~30000字なのに対して、短報は5000~10000字程度、刷り上がりのページ数にすると顕著論文10ページ程度に対して、短報は5ページ程度です。
 
これは、短報の目的が少しでも早く世の中に発表することだからです。
 
新しい治療法やシステム、薬剤などを開発し、他の機関に先を越される前に発表したい際などは短報を選択します。
 
そのため、基本的には即効性が重視されており、査読もスピーディに行われます。
 
短報を公表した後に、改めてデータを増やして原著論文として発行することが望まれていますので、短報を発見した際は、関連する原著論文がないかも検索してみましょう。

会議録(Proceeding)

会議録は学会発表の際の抄録を主催学会の学術誌がまとめて公表したものです。
 
あくまで抄録なので500~1000字と短いものが多く、細かい内容も書かれていません。
 
倫理事項などの最低限のチェックはされますが、査読が入ることも少ないため信頼性は低いと思われます。
 
参考にはなりますが、基本的に会議録を引用文献として採用するべきではないと思います。

学位論文

学位論文は修士号や博士号を取得するために過程で行った研究をまとめたものです。
 
大学によって形式は異なりますが、文字数に制限がないため分野のレビューがかなり綿密に行われています。
 
実際に学位論文を書いたことがある人はわかると思いますが、レビューだけで10ページや20ページなんてざらにあると思います。これは実はかなり参考になるんではないかと個人的には思っています。
 
ただし、過程の総括的な役割を持つため、テーマが一つではなく、論文中に複数のテーマが含まれている場合があります。
 
また、指導教授の審査などはあるかもしれませんが、査読という工程は経ていませんので、信頼性やエビデンスレベルはかなり低いと思います。
 
引用をしていることを見ないわけではありませんが、かなり稀かなと思います。
 
学位論文に掲載している内容は原著論文としても投稿している可能性が高いため、原著論文の方をあたりましょう。

まとめ

【原著論文(Original Article)】
学術誌や商業誌に掲載されるオリジナルな論文

【総説(Review)】
特定の分野やテーマに関する研究を集めて、体系的にまとめた論文

【症例報告(Case Report)】
1例~数例の治療経過や実践経過をまとめて、考察を加えた論文

【短報(Short Communication)】
オリジナルな研究成果をより短くまとめた論文

【会議録(Proceeding)】
学会発表の際の抄録を主催学会の学術誌がまとめて公表したもの

【学位論文(Thesis)】
修士号や博士号を取得するために過程で行った研究をまとめた論文

いかがだったでしょうか。一言に論文といっても色々な種類があり、その特徴も様々です。
正しく理解して楽しい研究ライフを送りましょう。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA