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どーもー!!ナツです!!
今日はどうしたのー?
今日はどうしたのー?
インパクトファクターって何なの?よく聞くんだけど実はよく分かっていないんだ
今日は研究者にとってはかなり気になるインパクトファクターの解説をします。
インパクトファクターという名前は聞いたことがあっても、実はよく知らないという人も多いのではないでしょうか。
また、知っていても、どのように計算されるのか、どのように調べるのかを正確に答えられる人は少ないと思います。
この記事では、インパクトファクターについて理解を深めたいという人に向けて、インパクトファクターの計算方法や調べ方、注意点を解説していきます。
この記事を読んでもらえれば、インパクトファクターについて十分な知識と理解を得ることができると思います。また、正しい知識をつけるからこそ、インパクトファクターに振り回されることもなくなります。
ぜひ最後まで読んでいってください。
それでは解説していきます。
- インパクトファクターを実はよく知らない
- インパクトファクターを正確に理解したい
- インパクトファクターを参考にして論文投稿をしたい
Contents
インパクトファクターとは

現在、自然科学176分野8600誌以上、社会科学56分野3100誌以上が登録されています。
インパクトファクターはその雑誌の影響力を示す指標で、インパクトファクターが大きいほど、良質な雑誌ということができます。
毎年初夏にインパクトファイクターが発表されますが、研究者はこのインパクトファクターを参考にして投稿する雑誌を決めていきます。
もちろんインパクトファクターが高い雑誌に載せたいのは山々ですが、インパクトファクターが高い雑誌は掲載までのハードルも高いのが一般的ですので、自分の研究テーマや成果と相談しつつ、少しでも高いインパクトファクターの持つ雑誌をリサーチすることは研究者として必要な技術かもしれませんね。
ちなみに、みんなが知っている有名な雑誌「Nature」のインパクトファクターは42.779です。計算方法は後で解説しますが、べらぼうに高いです・・。
- インパクトファクターはその雑誌の影響力を示す指標
- 自分の研究テーマや成果と相談しつつ、少しでも高いインパクトファクターの持つ雑誌をリサーチする
インパクトファクターの計算方法

例えば2020年のインパクトファクターであれば、2019年に論文が引用された回数を2018年と2017年に発行された論文数で割ることで計算されます。
図で表すとこんな感じです。
と計算式が分かりにくいですが、計算式を理解しているとインパクトファクターに惑わされにくくもなると思います。
インパクトファクターが上がる要因としては、2つあります。
-
引用回数が増加する(分子が増加する)
-
掲載論文数が減少する(分母が増加する)
引用回数が増えるのがインパクトファクターが健全に上がっている状態だと思います。
雑誌に掲載されている論文が他の雑誌でも積極的に引用されていれば、掲載されている論文の質が良い、すなわち雑誌の質も良いと考えることができます。
一方で掲載論文数が減少する場合はどうでしょうか。
極端な話ですが、2年間で5本にか掲載しなかったけど、その内の1本がすごくセンセーショナルな論文で、1年間で50回も引用された場合、その雑誌のインパクトファクターは10になります。
このようにインパクトファクターは雑誌を評価する指標ですが、妄信するのも良くないと思います。
雑誌に掲載されている論文をきちんと自分の目で確認することも雑誌を理解することに繋がるということを知っておいてください。
- インパクトファクターは直近の3年間の発行論文数と他雑誌への被引用数を参考にして計算される
- インパクトファクターが上がる要因は「引用回数の増加」もしくは「掲載論文数の減少」
インパクトファクターの調べ方

- Journal Citation Reportsから調べる
- Web of Scienceから調べる
- 雑誌のホームページから調べる
①と②の方法は有料ですし、もし有料でも良いという場合でも個人で加入するようなものではありません。
ただ、大学や法人などが会員になっている場合も多いので、ご自分の所属する施設の状況を確認してみてください。
また③の方法でもインパクトファクターを調べるのには不自由しませんので、そちらをオススメします。
Journal Citation Reports:JCRから調べる
JCRのトップページに雑誌名を入力して検索するだけです。
先にも言いましたが、有料会員登録が必要で、しかも個人で加入するようなものでもないのが現状です。
JCRはかなり詳細にインパクトファクターについて調べることが可能で、インパクトファクターの他にも5年間の論文で算出した5年インパクトファクターや雑誌に掲載された論文がどれくらい早く引用されたかを示すImmediacy Index、論文がどれだけ長く引用され続けているかを示すCited Half-Lifeなど多くの情報が載っています。
Web of Scienceから調べる
Web of Scienceは世界最大級のオンライン学術データベースです。
JCRと同じ有料会員登録が必要です。
論文を検索していて、気になる雑誌があればクリックすることで雑誌の詳細を確認することができ、その中でインパクトファクターも確認できます。
ただし、あくまで論文のデータベースなのでJCRほどの細かな情報は載っていません。
雑誌のホームページから調べる
無料でインパクトファクターを調べる方法です。
別に特別な方法ではなく、ただ検索窓に「雑誌名+impact fuctor」で検索するだけです。
インパクトファクターは英語表記にしてください。
たいていの雑誌は検索結果の一番上に雑誌のHPが表示され、インパクトファクターがある雑誌であれば表記されています。
また、最近はGoogleがインパクトファクターを表示してくれるようにもなっています。
試しに「nature+impact fuctor」で検索するとこんな感じです。
- 無料でインパクトファクターを調べたいときは雑誌のHPへ
インパクトファクターの注意点

-
インパクトファクターは雑誌の影響力の指標である
-
異なる分野間での雑誌の比較はできない
-
発表論文数の少ない雑誌では参考にならない
インパクトファクターは雑誌の影響力の指標である
「当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、意外に勘違いしている人も多いので解説します。
インパクトファクターはあくまで雑誌の影響力を示す指標であり、雑誌に投稿された論文そのものを評価しているわけではありません。
もちろんインパクトファクターが高い雑誌は掲載までのハードルが高く、査読も厳重に行われます。投稿される論文の量も膨大ですので、その中でも厳選された論文が載っていることでしょう。
ただし、だからといってインパクトファクターの高い雑誌に載っている研究結果を100%信頼してよい理由にはなりません。
必ず論文は細部まで読み込んでその価値は自分で判断しましょう。
異なる分野間での雑誌の比較はできない
異なる分野間でインパクトファクターの高低を比較することはできません。
なぜなら分野によって研究者人口や論文の引用のされやすさ、年間発行論文数が異なるからです。
そもそも研究分野が異なる雑誌同士のインパクトファクターを比較することもないと思いますが、このことも知っておいてください。
発表論文数の少ない雑誌では参考にならない
これがインパクトファクターで最も注意することかもしれません。
年間で発表する論文数が少ない雑誌では偶発的にインパクトファクターが跳ね上がることがあります。
これは「インパクトファクターの計算方法」でも書きましたが、年間で掲載した論文が少ないにも関わらずそのうちの1本がものすごい数で引用された場合、インパクトファクターは高くなります。
ただし、その引用の多さが一時的な場合や発表から3年以上経過した場合は引用回数が減りますので、インパクトファクターは下がってしまいます。
これに対する対策としては、
-
複数年のインパクトファクターで判断する
-
5年インパクトファクターなど他の指標も参考にする
などがあります。やはり、インパクトファクターを盲信するだけでは不十分な気がします。
まとめ
-
インパクトファクターはその雑誌の影響力を示す指標
-
インパクトファクターは直近の3年間の発行論文数と他雑誌への被引用数を参考にして計算される
- 無料でインパクトファクターを調べる方法は雑誌のホームページから調べる
- インパクトファクターを盲信するのは良くない
いかがだったでしょうか。今回はインパクトファクターについて、計算方法や調べ方、注意点を解説しました。
インパクトファクターは確かにとても参考になる指標ですし、僕も論文を読むとき、投稿するときにはかなり重視します。
ただし、インパクトファクターにも注意する点はあります。
ただインパクトファクターを盲信するのではなく、自分自身で考えて、総合的に雑誌の価値を判断しましょう。
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