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どーもー!!ナツです!!
今日はどうしたのー?
今日はどうしたのー?
学会発表のための抄録ってのを書き始めたんだけど、なにこれ?
めっちゃ難しいんだけど。。
めっちゃ難しいんだけど。。
研究が終わって成果が出たら、次はそれを世間に公表することが大切です。
僕はどんなに素晴らしい研究をしても世間に公表しなければしていないのと同じだと思っています。
成果を公表するの場の一つに学会での発表があります。
論文を書く前に、まずは学会で発表をするという人も多いと思いますし、研究を始めたばかりの人は論文までは書かなくても、学会で発表することで得られるものは大きいです。
学会発表のステップは抄録を作成し、学会に登録することから始まりますが、この壁も意外と高いですよね。
抄録を書くと言ってもどんなことを書けばよいのか、どういう風に書けば良いのか悩んでる人も多いと思います。
この記事では多いと年間4回ほど学会発表をするナツが、学会の抄録の注意点や書き方を丁寧に解説していきます。
初めて抄録を書く人にも分かりやすく、例文とともに解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいってください。
それでは解説していきます。
※この記事での抄録の例文に使われている研究結果は適当です。ナツはアンパンマン大好きです。
学会の抄録とは
学会の抄録とは参加者に配られる抄録集に掲載される研究発表の内容を簡単にまとめたものをいいます。
参加者は抄録集を見て面白そうな研究発表に足を運ぶので、抄録は聴講者を呼ぶための大切な手段の一つだと思います。
抄録に記載出来る文字数は決まっており、学会にもよりますが、だいたい500文字~1500文字のところが多いと思います。
抄録集への印刷の都合などもあり文字数がかなり少ないので、自分の研究をかなりコンパクトにまとめる必要があります。
少ない文字数の中でも自分の研究の概要を正確に伝えて、参加者に「おもしろそう」と思ってもらえることで聴講者が増えていくわけです。
抄録は大体学会の6か月~1年前に募集が開始されますが、出せばそのまま発表できるというわけではありません。
抄録にも論文の査読ほどではないですが、主催者のチェックが入ります。
ここでは主に文字数、抄録体裁、倫理事項などを確認されるので、しっかりと学会規定を確認して提出をしましょう。
これらがきちんと出来ていれば、落とされることは稀かなって思います。
- 抄録とは学会での発表の内容を簡単にまとめたもの
- 抄録は聴講者を呼ぶための大切な手段の一つ
抄録を書くときの注意点
抄録を書くときに注意するべき点は次の2つです。
- 文字数のカウント方法
- 指導者の選定
文字数のカウント方法
抄録を書くときには抄録の文字数のカウント方法に注意しましょう。
大文字と小文字、半角と全角ではそれぞれカウントされる文字数が異なり、Wordでの確認では微妙にずれが生じます。
インターネット上で文字カウントサイトがありますので、そちらを利用するようにしましょう。
私のおすすめは「LUFTTOOLS」の文字カウントです。文字数だけでなく、バイト数までも教えてくれますし、全角と半角をそれぞれ何文字として数えるかも設定できます。
指導者の選定
抄録を作成するときには必ず自分の抄録を見てくれる人を用意しましょう。
これは指導をお願いする意味もありますが、自分の書いた抄録を他者に見てもらうことで、内容が正確に伝わるかどうかを確認するためです。
理想は研究実施段階から指導してくれている人に確認してもらうのが一番良いと思いますが、もしいなければぜひとも誰かに依頼してください。
ただし、抄録を見てもらうためだけに指導をお願いした場合は、オーサーシップに注意が必要です。
オーサーシップとは、簡単に言えば共同演者として名前を入れて良いかどうかの基準です。
ただ、抄録を見てもらっただけではオーサーシップを与えるかどうかは微妙なので、やはり研究実施段階から指導をしてもらっている人に抄録を見てもらうのが一番だと思います。
- 抄録を書くときは文字数のカウント方法に注意!
- 抄録を見てもらう指導者を用意する
抄録の書き方と例文
抄録の構成は論文の構成とほぼ同じです。具体的には
- 背景、目的
-
方法
- 結果
- 考察
で構成されます。
ただ、文字数は少なくなっているので、論文のように事細かに書くことはできません。これらの内容をぎゅっとまとめる感じになります。
背景、目的
はじめに研究テーマの学術的背景や研究疑問、研究の目的や意義を簡潔に書いていきます。
正直、抄録の段階ではここに多くの文字数を割くべきではないと思います。
それよりも方法や結果などを厚く書いていくべきです。
僕は抄録を書き上げてみて文字数がオーバーしているようであれば、まず背景、目的を削っていきます。
背景は書かずに目的のみを書いている抄録もよく見かけます。
いきなり「本研究の目的は・・」と書き始めるわけですね。
具体例を挙げるのこのようになります。
アンパンマンとは最も国民から認知されているアニメの一つであり、その中でもアンパンマンがお腹を空かせている子どもにアンパンをあげるシーンは誰もが見たことのあるワンシーンである。しかしながら、アンパンマンの渡すアンパンは粒あんなのか、こしあんなのかは明らかになっていない。本研究の目的はアンパンマンのあんこは粒あんなのか、こしあんなのかを明らかにすることであった。
方法
方法では対象者、研究プロトコル、解析方法を簡潔に書いていきます。
簡潔にとは言っても方法は抄録中で最も文量を占める箇所だと思います。
そこで書く内容に加えて、どのように文字数を削減するのかも解説していきます。
まず、対象者は分析に使用した対象者のみを書きましょう。除外基準や脱落人数などは抄録の段階では記載しません。
研究プロトコルについても簡潔にするために大まかなデータ収集の流れのみで留めておきましょう。
実験研究であれば使用した機器の説明、調査研究であれば質問紙の詳細などは省いて、文字数の削減を心掛けます。
ただし、研究プロトコルは何となくでも相手にどのような手順で何のデータを取ったのかが分かるように書くことを心がけましょう。
分析手法についても具体的な検定名まで記載する必要はなく、「AとBを比較した」みたいな感じで大丈夫です。
具体例はこんな感じです。
2000年1月から2020年1月までのアンパンマンの放送の中からアンパンマンのあんこが見えているシーンを抜粋し、動画解析ソフトにて目視で確認した。解析はあんこが粒あんだと考えられた回数とこしあんだと考えられた回数を比較した。
結果
結果には研究の主な成果である客観的な数値や事象を簡潔に書きます。
1つの研究では主要な結果とともに副次的な結果も得られると思いますが、抄録に記載するのは主要な結果のみにしましょう。
文字数がオーバーするようであればp値なども省いても良いと思います。
僕は抄録で重要なのは方法と結果だと思っています。
聴講者は抄録を読んで、聞きに行く演題を決めることが多いと思いますし、実際に僕は方法と結果を重視して抄録を見ていきます。
どの様な研究をどんな方法で行い、それがどのような結果だったのかがはっきりした研究にはやはり興味を惹かれますね。
結果の具体例はこんな感じです。
2000年1月から2020年1月までのアンパンマンの放送で、アンパンマンのあんこが見えているシーンは合計1234シーンであった。その内、粒あんであると判断したシーンは1034シーン、こしあんであると判断したシーンは153シーン、不明は47シーンであった。解析の結果、アンパンマンは粒あんであることが確認された。
※一応公式でもアンパンマンは粒あんであると発表されています。
考察
考察では、研究の成果について考えられることを簡潔に書いていきます。
結果一つ一つに考察を加えていると文字数が足りないので主要な結果のみに考察を加える、もしくは研究を総括しての考察を行うなどをしましょう。
考察がないままの抄録の見たことありますので、背景の次に文字数を削るとしたら考察かなって思います。
具体例はこんな感じです。
本研究の結果は、公式のアンパンマンが粒あんであるという発表を裏付ける重要な根拠であると考えられる。アンパンマンが粒あんであることが明らかになったことは、今後のアンパンマン研究に大いに資するものとなると考える。
まとめ
- 抄録とは学会での発表の内容を簡単にまとめたもの
- 抄録では文字数のカウント方法と指導者の選定に注意する
- 抄録の構成は背景・方法・結果・考察
- 文字数に制限があるので最低限の内容で研究の全容が分かるように
いかがだったでしょうか。
今回は学会の抄録の書き方について、例文を交えて解説していきました。
学会は研究成果公表の大事なステップです。
丁寧に書いていくことで研究が楽しくなると思います。
何よりこの記事を読んで抄録を書いている方、学会をしっかり楽しんでくださいね。
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