スポンサーリンク
どーもー!!ナツです!!
今日はどうしたのー?
今日はどうしたのー?
統計検定って難しいの?何級を受けるべきかなぁ?
研究を始めると皆さん少なからず統計の勉強をしていると思います。
統計は奥が深く、勉強していると意外とおもしろいと思えませんか?
勉強して知識がつくと論文を書き方や読み方が劇的に変わって研究者としてのレベルアップを実感すると思います。
そしてそこで得た知識や技術は資格として持っておくと重宝します。
名刺に書いたりや自己紹介の時に統計関する資格を持っていることをアピールすると、「この人は統計に関しての専門家」なんだと認識してもらえ、講演依頼や外部からの解析依頼など他の仕事の繋がることもあります。
統計に関する資格の一つに統計検定があります。
また、あまりメジャーではありませんが、何かすごく感じませんか?
この記事では、「統計検定」の難易度や合格率を解説していきます。
これから統計検定を受けようと思っている人、統計の知識を資格化したい人はぜひ最後まで読んでいってください。
それでは解説していきます。
- 統計検定を受けようと思っている人
- 統計の知識を資格化したい人
- 統計検定の内容や難易度が知りたい人
また、このブログでは統計に関する知識も解説しています。尺度水準や有意差の意味など研究者の力になれる記事を目指しています。そちらもぜひ見てみて下さい。
【差の検定】統計手法の選び方を数式を一切使わず分かりやすく解説します!!
研究を行うときに一番いやな思いをするのは統計手法の選定ではないでしょうか。
「統計アレルギー」という言葉があるくらい研究初心者...
統計検定とは
統計検定とは一般財団法人統計質保証推進協会が主催する統計に関する全国統一試験のことです。
統計検定1級~4級に加えて、統計調査士やデータサイエンスなど10区分の試験があります。
データに基づいて客観的に判断し、科学的に解決していく能力を評価する民間資格ですが、総務省や文科省などの国の機関も後援する資格です。
いわゆる統計の専門家としての資格で、情報系、理工系の大学生であれば在学中に資格を取得することで就職活動に有利になることもあるようです。
研究者であれば、統計に関しての説得力が増したり、統計の知識がつくことで研究者としてのレベルアップものぞめると思いますよ。
試験内容と難易度
試験内容は1級~4級で大きく異なります。
4級は中学生程度の知識でも取得可能で幅広い年代の人が受験していますが、1級は統計数理や統計応用など統計の知識だけでなく、専門的な数学の知識や応用力も求められます。
難易度もやはり大きく異なり、4級は公式の問題集を一通り勉強すれば合格するレベルですが、1級は数学の専門家がなんとか合格するレベルの超難関で、合格率もかなり低いものとなっています。
それぞれの出題範囲を具体的に見ていきましょう。
4級
4級の出題内容は
- 基本的な用語や概念の定義を問う問題
-
用語の基礎的な解釈や2つ以上の用語や概念の関連性を問う問題
-
具体的な文脈に基づいて統計の活用を問う問題
です。そしてその出題範囲は
- 統計的問題解決の方法
- データの収集(データの種類、標本調査)
- 統計グラフ(基本的なグラフ[棒グラフ・折れ線グラフ・円グラフなど]の見方・読み方)
- データの集計(度数分布表、ヒストグラム[柱状グラフ])
- データの代表値(平均値・中央値・最頻値)
- 分布の散らばりの尺度とグラフ表現(範囲、箱ひげ図)
- クロス集計表(2 次元の度数分布表、行比率、列比率)
- 時系列データの基本的な見方(指数・増減率)
- 確率の基礎(確率、樹形図)
となっています。
中学程度の数学知識で十分で難易度は高くありません。
公式問題集を一通り勉強するだけで合格することが可能です。
資格として4級を持っていても仕事で役に立つことは少ないと思うので、4級を取ったならぜひ3級も取るようにしましょう。
ただ、基本的なデータの読み解き方からデータでの表現の基礎を学べるので、知識としては十分に得るものがあると思います。
3級
3級の出題内容は
- 基本的な用語や概念の定義を問う問題
-
不確実な事象の理解、2つ以上の用語や概念の関連性を問う問題
-
具体的な文脈に基づいて統計の活用を問う問題
です。そしてその出題範囲は
- データの種類(量的変数、質的変数、名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度)
- 標本調査と実験(母集団と標本、実験の基本的な考え方、国勢調査)
- 統計グラフとデータの集計(1変数データ、2変数データ)
- 時系列データ(時系列グラフ、指数(指標)、移動平均)
- データの散らばりの指標(四分位数、四分位範囲、分散、標準偏差、変動係数)
- データの散らばりのグラフ表現(箱ひげ図、はずれ値)
- 相関と回帰(散布図、擬相関、相関係数、相関と因果、回帰直線)
- 確率(独立な試行、条件付き確率)
- 確率分布(確率変数の平均・分散、二項分布、正規分布、二項分布の正規近似)
- 統計的な推測(母平均・母比率の標本分布、区間推定、仮説検定)
となっています。
難易度は高校程度の数学レベルで、特に数学Aの知識プラスαといった感じです。
3級も公式の問題集での勉強で十分合格可能です。
もちろん4級よりは格段に難しくなりますが、本当にがっつり勉強しないと受からないっていうレベルではなく、「統計の勉強したし、何か資格取ろうかな」っていう思いで受験しても大丈夫です。
2級
2級の出題内容は
- 現状についての問題の発見、その解決のためのデータの収集
-
仮説の構築と検証を行える統計力
-
新知見獲得の契機を見出すという統計的問題解決力
です。そしてその出題範囲は
- 1変数データ(中心傾向の指標、散らばりの指標、中心と散らばりの活用、時系列データの処理)
- 2変数以上のデータ(散布図と相関、カテゴリカルデータの解析、単回帰と予測)
- 推測のためのデータ収集法(観察研究と実験研究、各種の標本調査法、フィッシャーの3原則)
- 確率(統計的推測の基礎となる確率、ベイズの定理)
- 確率分布(各種の確率分布とその平均・分散)
- 標本分布(標本平均・標本比率の分布、二項分布の正規近似、t分布・カイ二乗分布、F分布)
- 推定(推定量の一致性・不偏性、区間推定、母平均・母比率・母分散の区間推定)
- 仮説検定(p値、2種類の過誤、母平均・母比率・母分散の検定[1標本、2標本])
- カイ二乗検定(適合度検定、独立性の検定)
- 線形モデル(回帰分析、実験計画)
となっています。
難易度は大学の統計基礎分野修了程度ですので、専門的に統計学を勉強する機会のなかった人には難しくなってきます。
特に2級からは数学的な知識(特に微分・積分)が必要になってきますので、文系で数学を本格的学んでいないと問題を理解するのが難しいかもしれません。
3級までは研究で統計を勉強した人ならちょっと勉強すれば合格するかもしれませんが、2級からは本格的に数学の勉強をしないと合格は難しいと思います。
ただし、難しいからこそ2級を持っている価値が上がることも事実です。
3級よりも2級を持っている方が信頼されやすく、権威性も上がると思うので、3級か2級か迷っている人は、ぜひ2級を受けてみましょう。
準1級
準1級の出題内容は
-
現状についての問題の発見、その解決のためのデータの収集
-
仮説の構築と検証を行える統計力
-
新知見獲得の契機を見出すという統計的問題解決力
-
各種統計解析法の使い方および解析結果の正しい解釈
です。そしてその出題範囲は
統計検定2級の全範囲+その応用
となっています。
2級と比較して難易度は格段と上がり、範囲もとにかく広くなります。
特に応用問題が出題され、準1級からは論述問題も出題されます。
理工系大学院の入試レベルの問題も出題されます。
より専門的に統計を学びたい、統計を仕事にしていきたいという人向けで、一般研究者は準1級までは取得しなくても良いと思います。
ちなみに僕も準1級は諦めました。
試験問題を見てもさっぱりですし、研究者としてはここまでの知識は必要ないかなって思ってしまいましたね。それくらい難しいです。
1級
1級の出題内容は
-
現状についての問題の発見、その解決のためのデータの収集
-
仮説の構築と検証を行える統計力
-
新知見獲得の契機を見出すという統計的問題解決力
-
各種統計解析法の使い方および解析結果の正しい解釈
-
各種統計解析法の考え方および数理的側面の正しい理解
です。そしてその出題範囲は
-
統計数理
-
統計応用
となっています。
1級の試験は全て論述式で、その試験は統計数理と統計応用に分かれています。
統計数理と統計応用は別々に採点され、同一試験で両方とも合格点に達する必要はありません。
例えば「今年は統計数理を受かったから、来年は統計応用を受験しよう」みたいなことも可能です。
ただし、両方とも合格して初めて統計検定1級を取得することが出来るので、どちらか一方のみ持っていることに意味はありません。
1級はとにかく専門的な知識に加えて論述力も要求されます。
本当に統計を仕事にしている人が受験しますが、合格率もかなり低いので、相当な難易度になっています。
合格率
続いて統計検定の合格率をそれぞれ見ていきましょう。
2020年は統計検定が開催されていないので、2019年のデータが最新のものですが、このようになっています。
検定種別 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
1級「統計数理」 | 878人 | 202人 | 23.0% |
1級「統計応用」 | 793人 | 125人 | 15.8% |
準1級 | 853人 | 179人 | 21.0% |
2級 | 2369人 | 988人 | 41.7% |
3級 | 1907人 | 1178人 | 61.8% |
4級 | 422人 | 237人 | 56.2% |
※準1級は2019年6月16日試験の結果
準1級以外は2019年11月24日試験の結果
合格率から見てみると、やはり4級や3級は合格率が高く、比較的易しいと言うことが出来るでしょう。
一方、2級になると合格率は50%を割ってきますし、1級に至っては20%前後の合格率しかありません。
1級を受験する人は少なくとも統計学を専門的に勉強した人だと考えると、その難易度の高さがよく分かりますね。
ちなみに4級は合格率こそ56.2%ですが、受験者が422人と3級と比べると1/5程度しか受験していません。
やはり取得したときの権威性を考えると最低でも3級、可能であれば2級を取得しておきたいところですね。
まとめ
-
統計検定とはデータに基づいて客観的に判断し、科学的に解決していく能力を評価する民間資格
- 4級や3級の難易度は低いが、準1級や1級の難易度は激高
- 4級、3級は合格率も高めだが、1級になると20%前後の合格率になる
- 研究者としては3級もしくは2級を狙ってみるのがおススメ
いかがだったでしょうか。
今回は統計検定について、難易度や合格率について解説をしました。
まだまだ一般的ではない資格かもしれませんが、研究者としてのレベルアップのためにも受験を考えてみてはいかがでしょうか。
そして、受験しようと思ってこの記事を読んだ人はぜひとも頑張って合格して下さいね。
スポンサーリンク