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解決したい悩み
「家でも統計をしたいけど有料のソフトは買えない」
「たくさんの統計ソフトがあるけど、無料で簡単に使えるソフトが知りたい」
「初心者に特におすすめな統計ソフトが知りたい」
この記事ではこんな悩みに答えるために、初心者におすすめの無料で使える統計ソフトを3つ紹介します。
最後には「とりあえずこれを使っておけば間違いない」という結論も紹介しますので、ぜひ最後まで読んでいってください。
この記事を読めば、どの統計ソフトを使えば良いかが分かるようになり、無料で統計解析ができるようになります。
また、このブログでは統計手法を決めるために必要な知識についても多く解説しています。
統計に悩んでいる人はそちらも併せて見てみて下さい。一通り読めば、統計に関する悩みはほぼなくなると思いますよ。
統計手法選択に関連する記事
Contents
統計ソフトを選ぶポイント
まず、統計ソフトを選ぶポイントは以下の3点です。
-
有料ソフトか無料ソフトか
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一般的なソフトかどうか
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統計ソフトでできる分析内容
有料ソフトか無料ソフトか
統計ソフトと言えば、SPSSを思い浮かべる人も多いでしょう。
多くの研究施設や大学に導入されていますし、研究を行っている人は1度は触ったことがあるのではないでしょうか。
SPSSは基本的な統計は全て行うことができ、日本語にも対応していて、操作も簡単です。
追加パッケージを導入すればより応用的な分析も可能になり、統計に関して困ることはなくなるでしょう。
しかし、SPSSは有料ソフトです。個人で購入するか教育機関か学生かで値段は変わりますが、だいたい10万円~20万円かかりますし、追加パッケージを入れればさらに追加で料金がかかります。
また、有料の統計ソフトはバージョンアップへのサポートがついていないことが多く、新しいバージョンが出ると再購入しなくてはならないこともあります。
「卒業論文で統計を行いたい」、「大学院生が自宅でも統計を行いたい」といった場合には有料ソフトは現実的ではありません。
そこで登場するのが無料の統計ソフトです。
近年は本当に研究者に優しい環境がそろっていて、無料ソフトでも有料ソフトと同等かそれ以上の分析が可能です。
僕自身も統計を行うことが頻回にありますが、無料の統計ソフトしか使っていません。
それでも全く困ることなく、研究を続けることができているので安心して無料の統計ソフトを使用して良いかなと思います。
一般的なソフトかどうか
研究が終了すれば、成果を学会や論文で公表しますよね。
その際には統計手法と一緒に使用した統計ソフトを報告する必要があります。
あまり有名ではない統計ソフトや自分でプログラムしたソフトなどを使用すると、結果が信用されず、掲載されない可能性もあります。
この対策としては広く一般的な統計ソフトを使用する必要がありますので、自分が使用するソフトがどの程度世間で認知されているかも注意してみてください。
また、一般的な統計ソフトは情報が豊富です。インターネットで使い方の解説がされていたり、書籍として詳しくまとめられているものもあります。
何か困ったときにすぐに対処できるというのも一般的に普及しているソフトの利点だと思います。
使用できる分析
t検定や相関分析といった基本的な比較検定はほぼすべてのソフトで実施可能ですが、より細かい分析が必要な場合はソフトを選ぶ必要があります。
例えばベイズ統計や共分散構造などは出来るソフトと出来ないソフトがあります。
研究を始めたばかりのうちはあまり気にする必要はないかもしれませんが、レベルアップしてくると自分の目的にあったソフトを選定することも必要になってきます。
初心者におすすめの無料で使える統計ソフト3選
ここからは実際に無料で使える統計ソフトで僕個人が使ってみて、特に初心者におすすめする無料の統計ソフトを3つ紹介します。
- 初心者へのおすすめ度 ★★★
- 操作の簡便さ ★★★
- ソフトの信頼性 ★★★
HADは関西学院大学社会学部の清水裕二氏が開発、運営している無料の統計ソフトです。
HADはExcelを母体としているので、Excelが入っているPCなら全て利用可能です。
Excelは使ったことがある人がほとんどだと思うのでとっつきやすく、操作も直感的でとても使いやすいです。
また、頻回にバージョンアップされていて、対応してる分析もどんどん増えています。
開発者がHPで質問に答えていたり、使い方をまとめたサイトや書籍もあるので、使用していて困ることはほとんどないと思います。
基本的な統計に加えて、因子分析や項目反応理論、マルチレベル分析など特に心理学統計に必要な機能がほぼ全てそろっていて、文句なくお勧めできるソフトです。
デメリットとしてはSPSSのGUI画面に慣れていると少し使いにくいと感じるかもしれません。
それだけです。
GUIとはGraphical User Interfaceの略で、マウスでボタンをクリックするだけで操作が可能なソフトを指します。反対にコード書いたり、プログラミングをする必要がある場合はCUI(Character-based User Interface)と呼ばれます。
- 初心者へのおすすめ度 ★★☆
- 操作の簡便さ ★★☆
- ソフトの信頼性 ★★★
JASPも無料で使えるGUIの統計ソフトです。
データをインポートしてクリックしていくだけでとても簡単に分析が可能です。
JASPは基本的な統計に加えて、近年話題のベイズ統計にも対応しています。
正直、無料でここまで簡単にベイズ統計が可能になるとは思っていませんでした。それぐらい簡単に使うことができます。
また、僕が個人的にJASPの一番良いと思うところはPlotのオシャレさです。
分析を行っていると自動で適切なグラフを選んで描画をしてくれます。
そのままコピペすることが可能なので、グラフ作成にかかる時間を大幅に短縮してくれます。
デメリットとしては、インストールから実際の使用まで全て英語です。
慣れれば全く苦になりませんが、初心者のうちは少し使いにくさを感じるかもしれません。
JASPの使い方についても多くの情報が公開されているので、ぜひ使ってみて下さい。
JASPでt検定を行う方法を解説していますので、そちらも見てみて下さい。
JASPの使いやすさやグラフのきれいさが分かると思いますよ。
R
www.r-project.org
外部リンク
R: The R Project for Statistical Computing
- 初心者へのおすすめ度 ★★☆
- 操作の簡便さ ★☆☆
- ソフトの信頼性 ★★★
無料の統計ソフトの王様といって良いRです。
RはCUIなので、R言語を用いてコードを書くことで様々な分析が可能です。
Rでできない分析はないってくらい何でもできますし、機械学習やディープラーニング、データマイニングなどにも対応しています。
グラフの描画もとてもきれいにできますし、ソフトとしての信頼と実績も申し分ありません。
ただ、R言語でコードを書く必要があり、はじめからRを使用するのは正直おススメはできません。
Rを使用するのであれば、GUI化されたEZRを使用すると良いと思います。
結局どのソフトを使用すれば良いの?
初心者にはHADを使用することをおすすめします。
Excelで使えるのでとっかかりやすいですし、何より書籍やインターネットの情報が豊富ですので、困ってもすぐに対処ができます。
大学などの教育機関でも使用されているので、ソフトとしての実績もばっちりです。
まずはHADから始めてみて、自分のしたい分析に合わせてその他のソフトも検討してみてください。
おまけ
無料で使えるソフトとしてもう一つおすすめしたいのがG-Powerです。
G-Powerは無料で使える検定力解析ソフトで、研究前に必要なサンプルサイズを算出したり、研究後に検定力を算出したりすることができます。
こちらも無料とは思えないほど優良なソフトなので、ぜひ使ってみて下さい。
過去の記事ではこのG-Powerの使い方も解説しているので、そちらも併せて見てみて下さい。
【G-Powerの使い方】無料のサンプルサイズ計算ソフトの操作方法を画像付きで分かりやすく解説!!
皆さん、研究を始める前にサンプルサイズを計算しているでしょうか。
ヒトを対象した研究の場合は協力いただける人数の関係上、...
まとめ
- 無料の統計ソフトでも十分な分析が可能
- 初心者にはまずはHADがおすすめ
- 徐々に自分のしたい分析に合わせてその他のソフトも検討する
いかがだったでしょうか。
今回は初心者におすすめの無料の統計ソフトを3つ紹介しました。
僕も紹介した3つのソフトで研究を行っていますが、全く困りません。
自宅でも簡単に統計が行えるようになるので、ぜひ使ってみてください。
使いこなせれば、統計の悩みが一気に吹き飛ぶと思いますよ。
また、統計ソフトを使用するにはある程度のパソコンのスペックが必要です。
ノートパソコンの記事も書いていますので、そちらも見てみてください。
この記事が統計で悩んでいる人の手助けになれば幸いです。
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